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カワシマにできること。カワシマにしかできないこと。それを支えてくれる方々に感謝を込めて。

医療用防護服の代わりにポリエチレン製のゴミ袋をつなぎ合わせて使っているという海外からの報道に接したときは唖然としました。そのすぐ後に日本の医療現場でもレインコートや即席の簡易防護服が使われていると聞いたときには、じっとしていられませんでした。頭に浮かんだのは当社で製造している使い捨てのシートカバーでしたが、医療用製品に関しては経験も知識もない私に何ができるのでしょうか。思い切って旧知の医師に相談してみました。ぜひにという彼からの思いがけない言葉に背中を押されながらも、大きな不安を抱えたまま製造部の責任者に相談しました。そこからは雪だるま式に話が一気に広がり、社内プロジェクトとしての製品化を経て愛知県と名古屋市への寄贈、経済産業省と厚生労働省を経て多くの医療現場や教育機関に波及したのは私自身が一番驚いています。
振り返ってみれば、当時、部品の不足から自動車の生産ラインが止まり、当社の生産設備と人員の稼働率は大きく落ち込んでいました。医療用ガウンの製造に着手したおかげで、従業員の雇用のみならず、カワシマを支えていただいている協力企業や家庭内職者の方々を始めとするサプライチェーン全体の雇用を維持することができました。今回のような形で企業の社会的責任(CSR)を果たすことができたのは私にとって大きな喜びであり、カワシマとしての大きな自信になりました。
私たちが医療用防護服という未知の領域で社会に少しでも貢献できたのは、単にいくつかの偶然や幸運だけではなく、カワシマの生産を支えていただいている信頼厚いネットワーク、そして当社を信頼してくださるお客さまのご期待を満たすべく常日頃から研鑽を続けてきた技術力、そして私の思い付きを形にしてくれた従業員といった多くの要素が必然的に結びついた結果だと思います。多くの方々のご支援によって生まれた医療用防護服を機に、A4サイズでの平積み保管が可能なフェイスシールドやマウスシールドなどの製品も製造と改良を続けています。
カワシマは、これからも社会に眠っているニーズを掘り起こして皆さまのお役に立てる会社として成長していけるよう努力を続けていきます。